金森弁護士の法律相談所
会社のパソコンで私用メールはOK?
当社の従業員が会社のパソコンで電子メールを私的なやりとりに利用しているようです。
会社として、従業員に無断でメールの内容を確認してもいいのですか。
本来、会社の設備備品類は会社の業務遂行に必要な範囲内で使用が許されているだけであり、従業員としては私的利用をしてはならないのが原則です。もっとも、私的利用の有無を調べる目的であったとしても、従業員の電子メールについて無断で内容を調べるモニタリングは、従業員のプライバシーを侵害するおそれがあるので、無制限に認められるわけではありません。
旧労働省の示した方針の中では、「業務上の財産の保全」に必要な限り認められることになっています。電子メールの場合、私用の防止や機密情報の漏洩防止、会社内の情報システムの安全確保の必要性がある場合には、従業員に無断でメールを調べることも許されるということになるでしょう。もちろん、プライバシー保護の観点から無制限に認められるわけではありません。裁判例をみると、
- 職務上従業員の電子メールの私的使用を監視するような責任ある立場にない者が監視した場合
- 責任ある立場にある者でも、これを監視する職務上の合理的必要性が全くないのに専ら好奇心等から監視した場合
- 社内の管理部署その他の社内の第三者に監視の事実を秘匿したまま個人の恣意に基づく手段方法により監視した場合
等には、労働者のプライバシー権を侵害するものとして違法となるとされております。また、特定の個人のみモニタリングを行うということは、公平性を欠き違法となる可能性が少なくありません。
結局、このような場合でなければ、基本的に従業員の電子メールをチェックすることも許されることになります。もっとも、会社としては、電子メールの利用規則に私用禁止だけでなく、会社が電子メールを閲読することがあることを明示し、事前に従業員に周知させるということが適当であると考えられます。また、電子メールの閲読が許されるとしても、閲読の範囲は必要最小限に止める必要があります。

金森将也
つばさ総合法律事務所所長
上智大学法学部法律学科在学中に司法試験合格し、2003年4月、25歳の若さで「つばさ総合法律事務所」を設立。M&Aを含む企業法務案件を多く手がける。
出演経歴:日本テレビ「行列の出来る法律相談所」若手弁護士特集・メ~テレ「どですか」にレギュラー出演。
ご予約・金額等詳細については、052-971-7555まで
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