金森弁護士の法律相談所
ホームページ上で「買ってはいけない」と表示するのは、法的に問題がありますか?

質問

電気代が節約できると聞いて新製品のエアコンを購入したのですが、一定期間使ってみたところ、思いのほか電気代がかかることが分かりました。そのエアコンを購入した電化製品店や、メーカーにクレームの電話を入れても誠意ある対応をしてくれません。そこで私は、ホームページ上で「このエアコンは電気代がかかるので買ってはいけない」と表示したいのですが、法的に問題がありますか。

回答

万人受けをする商品を製造することは困難であり、どんなに良い製品を作っていてもクレームはつきものです。クレームが起きた場合には、火種が大きくならないように出来るだけ早く誠意をもって対応することが肝要ですが、それを怠るとご相談者のような感情を持ってしまうことも少なくないでしょう。

そもそも、公然と事実を指摘して他人の名誉を害したときは、その事実が真実であっても名誉毀損となり、刑事責任が問われます(刑法230条1項。3年以下の懲役若しくは禁固または50万円以下の罰金)。本件の場合でも、特定のメーカーが電気代のかかるエアコンを販売しているというネガティブなイメージを閲覧者に植え付けることは、「他人の名誉を害する」ことにあたる可能性が高いと思われます。そして、ホームページ上で公開することは「公然と事実を指摘する」ことにあたると解されます。

真実であっても名誉毀損は成立するので、合理的な根拠があっても責任が否定されません。

また、メーカーの営業を妨害するために、電気代のかかるエアコンを販売しているという悪いうわさをインターネットを通じて広めることは、業務妨害罪という犯罪になる可能性もあります(刑法233条。3年以下の懲役または50万円以下の罰金)。

民事上の責任も考えられます。つまり、メーカーと顧客とのクレームについてのやりとりは企業秘密に当たると考えられます。そして、企業秘密を意図的にホームページ上で公表することは、不正競争防止法違反にあたるので、メーカーから損害賠償請求や差し止め請求を受ける可能性があります(不正競争防止法2条、3条、4条)。

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金森将也

金森将也
つばさ総合法律事務所所長

上智大学法学部法律学科在学中に司法試験合格し、2003年4月、25歳の若さで「つばさ総合法律事務所」を設立。M&Aを含む企業法務案件を多く手がける。
出演経歴:日本テレビ「行列の出来る法律相談所」若手弁護士特集・メ~テレ「どですか」にレギュラー出演。

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