金森弁護士の法律相談所

質問

中小企業でも公開会社になれるのでしょうか。

回答

まず、御理解いただきたいのは、公開会社と上場会社は異なるということです。中小企業のほとんどが、発行している株式について定款によって譲渡制限をしています。(取締役会の承認がないと譲渡出来ないとするものが多いです)しかし、中小企業でも、このような制約を設けず、自由に株式を譲渡できる株式会社があります。それを公開会社というのです。(逆に制限のある会社を非公開会社といいます)証券取引所に上場しているか否かは無関係なのです。

公開会社にすると、株式を自由に譲り渡すことができますので、投下した資本を回収する手段が増えることになります。たとえば、会社の資金調達の必要性から、ベンチャーキャピタル等に投資をしてもらう場合に、ベンチャーキャピタルが途中で資金を回収しやすいように譲渡制限を外しておくことが考えられます。また、相続や事業承継対策で譲渡制限を外すことも考えられます。たとえば平成18年度税制改正項目で相続税が物納できる財産に公開会社の株式が加わりました。したがって、物納の目的で譲渡制限を外し、公開会社化することも考えられるでしょう。

しかし、デメリットもあります。まず、公開会社にするためには、かならず取締役会を設置しなければなりません。取締役を3人以上用意しなければなりません。また、株式の譲渡について会社のコントロールを及ぼしにくくなるので、会社の経営にとって好ましくない者が株式を取得し、会社経営に口を出してくると言うこともあります。確かに会社経営は取締役会に委ねられているとはいえ、中小企業の場合株主の声が会社経営にそれなりの影響を与えることもあるのです。

その他、公開会社になると、非公開会社のときにはなかった様々な複雑な規制が及ぶことになりますので、公開会社にする際には、専門家に相談し、損得を考えた方がよいでしょう。

なお、法改正により、一部の株式についてだけ譲渡制限を解除するということもできるようになりました。ある程度株式の流通について会社のコントロールを残し、会社経営にとって好ましくない者を極力排除したいという場合には、この方法を使うのもよいでしょう。

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金森将也

金森将也
つばさ総合法律事務所所長

上智大学法学部法律学科在学中に司法試験合格し、2003年4月、25歳の若さで「つばさ総合法律事務所」を設立。M&Aを含む企業法務案件を多く手がける。
出演経歴:日本テレビ「行列の出来る法律相談所」若手弁護士特集・メ~テレ「どですか」にレギュラー出演。

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