金森弁護士の法律相談所
誠実な人柄で知られるプロ野球選手Aのイラストを、顧客用説明資料の表紙に使いたいと考えています。自分でイラストを描くつもりなのですが、Aの承諾を取る必要があるのでしょうか。
結論から申し上げると、いくらご自身で描かれるイラストであっても、プロ野球選手Aをモデルにし、誰が見てもA選手をモデルにしているということがわかるわけですから、無断で使用することは出来ず、A選手の承諾を得る必要があります。
そもそも、パブリシティ権という言葉があります。パブリシティ権とは、芸能人やスポーツ選手が、その氏名・肖像が有する経済的価値である顧客吸引力を、排他的に支配する権利のことをいいます。
裁判所も、「芸能人の氏名、肖像が持つ顧客吸引力は、その芸能人が獲得した名声、社会的評価、知名度等から生じる独立した経済的な利益ないし価値として把握することが可能であるから、これが当該芸能人に固有のものとして帰属することは当然のことと言うべきであり、当該芸能人は、そのような顧客吸引力の持つ経済的な利益ないし価値を排他的に支配する経済的権利を有する」(おニャン子クラブ事件・東京高判平成3年9月26日)として、有名人についてパブリシティ権を有することを認めております。
したがって、顧客用説明資料の表紙に使用することは、このパブリシティ権を侵害することになるので、無断使用が出来ないということになるのです。
もっとも、パブリシティ権は、人についてしか認められないというのが裁判例です。たとえば、競馬界で有名な競走馬の名前や肖像を使用しても、パブリシティ権侵害に当たらないとした判例があります。(ギャロップレーサー事件最判平16.2.13)

金森将也
つばさ総合法律事務所所長
上智大学法学部法律学科在学中に司法試験合格し、2003年4月、25歳の若さで「つばさ総合法律事務所」を設立。M&Aを含む企業法務案件を多く手がける。
出演経歴:日本テレビ「行列の出来る法律相談所」若手弁護士特集・メ~テレ「どですか」にレギュラー出演。
ご予約・金額等詳細については、052-971-7555まで
HPはこちら:http://www.tsubasa-act.com/





















