金森弁護士の法律相談所
会社の就業規則でアルバイトが禁止されていますが、アルバイトをしたら懲戒になるのでしょうか。
労働者は、企業が円滑に事業を行うために企業秩序を遵守する義務をおうので、職場外の職務遂行に関係しない行為については、原則会社からの規制を受けません。
もっとも、労働者の職務に関係しない行為であっても、企業の円滑な運営や企業の信用に支障を来す場合には、会社としては、企業秩序維持の観点から規制をすることが出来ます。
たとえば、会社の管理職が、痴漢で捕まったという場合を想定して頂ければ分かりやすいかと思います。職務とは無関係ですが、会社の名誉・信用を害することになるので、懲戒の対象とすることが出来ます。労働者としては、私生活の上であっても、会社の名誉信用を侵害しないようにする義務を負っているということができます。
また、労働者が、職務上知り得た情報をもとに、職務時間外に競業する会社の仕事をするという場合、確かに私生活上の行為ですが、職務上知り得た情報を利用しているという点で、会社の円滑な業務遂行に支障が生じることになります。
そこで、職務と関連する競業会社でのアルバイトをしたという場合には、たとえ勤務時間外であっても、懲戒の対象になります。
また、病気を理由に休職していた労働者が、実は休職中にアルバイトをしていたという事案もありました。もちろん、会社に嘘を言って休職したわけですから、懲戒の対象です。休職期間中は、いち早く職場復帰出来るよう療養に専念しなければなりません。職場復帰のためのリハビリとしてアルバイトをしていたという言い訳をしておりましたが、そうであれば、少しずつもとの職場に出社することでリハビリをするべきであり、他の会社でアルバイトをすることを正当化する言い訳にはなりません。
では、二重雇用の禁止(アルバイトの禁止)違反を理由に解雇が出来るかということになると、別の問題になります。裁判例をみると、競業会社でのアルバイト、仮病による休職中のアルバイトといった悪質な事例に限って解雇を有効としており、通常考えられるアルバイトの場合、懲戒にはなっても、解雇まで至らないのが一般です。

金森将也
つばさ総合法律事務所所長
上智大学法学部法律学科在学中に司法試験合格し、2003年4月、25歳の若さで「つばさ総合法律事務所」を設立。M&Aを含む企業法務案件を多く手がける。
出演経歴:日本テレビ「行列の出来る法律相談所」若手弁護士特集・メ~テレ「どですか」にレギュラー出演。
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